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独立行政法人国立病院機構 まつもと医療センター

診療内容

肝臓内科で担当する主な疾患は、ウイルス肝炎と肝細胞癌の診断と治療です。

A型とE型ウイルス肝炎は食物から感染し急性肝炎を発症しますが治癒します。しかし、B型とC型ウイルス肝炎は血液を介して感染し慢性肝炎から肝硬変、肝細胞癌にも至る疾患で、早期の診断と治療が重要です。

B型肝炎の治療では、インターフェロンは抗ウイルス蛋白を誘導、免疫を賦活して、自然経過でも起こるウイルスの減少を促進します。核酸アナログは、ウイルスの増殖過程を阻害する内服薬で長期の継続が必要です。肝臓内科のほか血液内科などでも、ウイルスの再活性化に対して核酸アナログ投与が行われています。再活性化とはHBs抗原が陰性でも、HBc抗体/HBs抗体が陽性の既感染者で、抗がん剤や免疫抑制剤の治療中にウイルスが再増殖することです。肝炎を発症し、重症化、劇症化すると死亡率は100%と言われます。

C型肝炎はその70%を占める1型でインターフェロンが効き難いことが問題でした。肝発癌は肝硬変に至ると年間8%と高率です。インターフェロン治療は1992から始まり、2013年には3剤併用で、1型のウイルス消失率は70%にまで改善しました。しかし、高熱などの副作用も強く、一部の方にしか治療ができませんでした。最近インターフェロンを用いない直接阻害型の内服薬が使用可能となり、2014年から現在まで新薬が次々と発売され、ウイルス消失率は12週間治療で1型2型ともに現在95%以上となっています。副作用が少なく治療効果も高いのですが、併用薬や耐性ウイルスの問題があり、専門医の処方が必要です。当院では治療効果の確認ができた76人のうち1人でウイルスが再燃したのみです。

当院の肝細胞癌治療は、肝切除術は北村医師中心に外科で、ラジオ波焼灼療法(RFA)は内科多田井医師、肝動脈化学塞栓術(TACE)は放射線科百瀬医師を中心に行っています。治療法別の年次推移では、2016年度からラジオ波(RFA)の件数が増えています。

最近B型でもC型でもなくアルコールも飲まないのに肝細胞癌が発生する方が増えています。非アルコール性脂肪性肝炎と呼ばれる疾患の方に多く見られます。ウイルス肝炎に比べて発がん率は高くないと推定されますが、多くの方が当てはまる脂肪肝や糖尿病、メタボに関連している疾患であるため、絞り込みが難しく、早期発見が難しいのが問題です。積極的に腹部超音波検査を受けることを推奨しています。

診療実績

当院の核酸アナログ治療例45例

2016年3月~2017年4月

インターフェロンフリー治療成績

当院における肝細胞癌の各治療法の年間のべ件数

診療体制

常勤医師2名で行っています。原則、週に2日の外来を行っています。腹部超音波検査も検査技師の技術指導を行いながら実施しています。

スタッフ